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ホーム > コラム一覧 > コラム ―不正・悪用は許せない―

 最近のマスコミニュースで多くの障がい者やその関係するものが大変驚いた。「社会福祉法人の障害者団体」と言う文字であり、その内容の悪質さに憤慨と残念さに憤りを感じさせられた。

 障がい者には様々な軽減策や給付制度が公的に、或いは社会的に多くのことが実施されている。このことは障がい者の大多数の人たちが恩恵を被り、感謝しているところである。そのことは、障がい者の日常生活に大きな支援となって現れている。

 それなのに「社会福祉法人の障害者団体」とだけ報道されて大阪の障がい者団体は多大の迷惑を被っている。今回の事件にかかわったのは吹田市にある3社会福祉施設を経営する団体その他等で、大阪府内の障がい者団体は一切かかわっていないのである。しかし一部心無い団体のやったこととは言え障がい者の仲間として、郵便事業会社並びに社会の皆様に深くお詫びを申し上げ、今後このようなことが起こらないよう固く戒めていきたいと決意しているところである。

 全国の点字図書館を利用して、点字図書や録音テープ図書を利用して情報を取り入れている視覚障がい者は郵便料の免除を受けて貸し出しを受けている。
もしもこの制度がなくなった場合、情報を入手したい視覚障がい者は郵便料金を支払らわなければならないようになる。

 文字情報が最大の情報手段であり、連絡の通信方法としている聴覚障がい者の団体が発行する刊行物に郵送料が減免されなかったら聴覚障がい者の情報の取得に一大困難が生じてくることは必死である。

 下肢障がい者が移動手段として使用している自動車に有料道路使用料が免除にならなかったら障がい者は普通道路を走らなければならないことになり、不便さや負担増による生活圧迫も出てくるし、移動手段が一層困難となってくるのである。

 このような大切な障がい者の特典を名義貸しという方法で悪徳印刷業者によって悪用された責任は誰にあるのだ。郵便事業会社の損失はおおよそ41億5千万円に達するとも言われている。今後調査が進めば被害額も増大するであろうし、不正使用していた実態が明らかにされると思うが、われわれ一般障がい者はどのようにこの事実を見ていくのか。かりそめにも社会福祉法人を取得する団体が何があったのか知らないが団体名を貸してそれが悪用されて何の言い訳があると思うのか。少なくとも障がい者の福祉の推進を目的として掲げている限り、その事業は何であるのか、その行為は何であるのか、違法行為であるとか、社会の公益性に反する行為であることぐらい判断しなければならないことを考えなかった浅はかさは理解に苦しむものである。

 障がい者自身にもこのことは言えるのではないだろうか、大阪市営地下鉄は、大阪市内在住の障がい者のみに特別の割引制度を作っている。それを大阪市内以外の在住障がい者も悪用している苦情を多く受けている。鉄道運賃割引は、単独乗車の場合は、101キロメートル以上の場合に限って認められている。それなのに大阪市営地下鉄を小人用キップを買って乗車している障がい者が多くいる。この不正使用の摘発で当局では大変な迷惑を被っている。高速道路を使用者が身体障がい者手帳を偽造したり、全然動けない人のを借りていたり、それこそ様々な悪用が絶え間なく起こっている。この実態を正しく利用している障がい者自身は、どう受け止めるのだろうか。私たちはいかなるときでも意思表示をしない円満居士であってはならないし、善悪を正しくもって行動できる社会人の1人であることを表明しなければならない。

 不正悪用は絶対に実刑をもって処すべきである。その社会的批判は自ら負うべきである。不正、悪用は、絶対に許さない

社会福祉法人 大阪障害者団体連合会 理事長 樋口 四郎

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